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第4話『ソニックブーム』(前編)
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………少し前、グリフィンシティ。
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………でこぼこ道を行きながら、デイナとSuper-Shortyはホワイトナイトの護衛車で揺れていた。
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Super-Shorty
私が言いたいのは……この護衛車には窓がないから、何も見えないってことなんだけど
デイナ
タイヤの音が変わったからな、この揺れる道はグリフィンシティにしかない道だ
デイナ
足音、言葉、電流、音波、この街は「見て」感じるだけではない
Super-Shorty
たぶん目が覚めたばかりだからだけど、都市と砂漠の違いがわからないの
Super-Shorty
私の記憶では、人間はいたるところに存在してて、あらゆる砂漠と海を征服して、地球全体に彼らの都市と足跡が至るところに広がってたから……
デイナ
驚くことではない、恐竜だって土木工学無しでそれをやったのだ
Super-Shorty
私は人間が……自分のことを特別に思ってる種だってわかってる……
Super-Shorty
過去のある時代には、全ての人間は新しい未来が一日の終わりの前に開かれるって信じてた……
Super-Shorty
太陽系を脱出するために宇宙船を飛ばしたり、地球を動かそうとしたり、彼らはかつて執着して信じてた、楽観的なくらいに……
デイナ
ふむ……お前が泣き出してしまってはと思い、「実は悲しくない」と言うかを躊躇ったのだ
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……Super-Shortyは吹き出した。
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Super-Shorty
私は感傷的な性格じゃないわ、クラウドマップで工場出荷時の設定を検査する時に、添付されている人類の文明情報を確認したの
Super-Shorty
私はまだ人間の言葉、あいさつの仕方、テーブルマナー、そして私が作成されたときに人間がどんな風な時代に住んでいたかを覚えてる
Super-Shorty
それは長くて曲がりくねった興味深い歴史だったけど、でも今私が目を覚ましたら、彼らは……彼らの笑顔と共に姿を消してしまった
デイナ
人間はいつか消えていくものだ、チビッ子。三葉虫、冷蔵庫、宇宙の全て……あらゆる物に終わりがある
デイナ
世界最後の日がいつになっても、その瞬間を目撃している人間が何人かいるはずだ、私たちとかな
デイナ
スケジュールを先延ばしても、単なる可能性の問題だろう
Super-Shorty
あなたはこの全部を受け入れて、現実を受け止められるの?
デイナ
いや、受け入れたわけではないぞ、歴史的な有名人や名跡のように生きようとは思っていないだけだ
デイナ
世界がどんなであったか、私の人生がどんなに悪いものであったかなど気にはせん、私はただ常に私に従いたいというだけだ
Super-Shorty
面白いこと言うわねデイナ、1時間前にあなたは他の誰かの車と敵を崖の下に落ちてたしね
デイナ
ああ、私の衝動的行動は全て冷静に判断しての事だ、多くの場合本能と衝動は最良の解決だからな
デイナ
私は常に計画と評価のもと行動しているわけではない、チビッ子……私は常に雷より激しく風の如しだ
Super-Shorty
人形としては、あなたの考えを完全に理解することはできないけど、でもあなたは本当にクールよ――私を工場から出荷した時の人格とは少なくとも違うと思うわ
Super-Shorty
私が戦術人形だって知ってるでしょ、可愛いって褒められたって嬉しがったりしないわよ?
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……二人はしばらく沈黙していた、と同時に笑い声を上げた。
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……その時、護衛車が止まった。
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…………
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……ホワイトナイトの機甲兵の監視下で、デイナとSuper-Shortyは車から降りてホワイトナイト基地の正面に来た。
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デイナ
大丈夫だ、ホワイトナイトがお前を傷つけることはない
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……ホワイトナイトはSuper-Shortyに付いてくるよう命じた。
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Super-Shorty
私が最初にあなたに会ったとき、私の工場出荷時の性格はあなたを憎むべきって私に言ったの――たぶんあなたがいつも私を 「チビッ子」って呼ぶからね
Super-Shorty
呼ばないわよ!しかもあなたのニックネームはカッコいいし!
Super-Shorty
言っておきたいの、私は今あなたをそんなに嫌ってないよ、それよりもこれから起こる事が怖くて……
デイナ
これは30分以内にできる身体検査だが外でお前を待っていよう。終わったら私が以前いたバーにお前を連れてってやる
Super-Shorty
先に言っとくけど、私アルコールは飲みたくないからね
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……Super-Shortyはホワイトナイトに連れられ、基地の建物に歩いて行った。
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デイナ
アルコールなしの飲み物は本物の酒よりも高価になることがあるぞ。グリフィンシティの商業区で工業用アルコールを除いたら、茶を飲むことすらできん
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…… Super-Shortyはどんどん遠くなっていき、二人の声はどんどん大きくなっていった。
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Super-Shorty
Hassyが何であるかさえ私わからないんだけど……
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……Super-Shortyはエレベーターに入った。
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デイナ
もしお前の記憶が回復するしたらお前の助けになろう、だがたまには記憶を失うのも悪い事ばかりじゃないぞ
デイナ
お前は今解放されたのだ、例え何が起ころうとも、何も心配いらん
デイナ
過去がお前の全てではない、私の言ってる意味がわかるか?
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……Super-Shortyが微笑み返すと、エレベーターのドアが閉まった。
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……デイナは向きを変え、彼女の後ろにいるホワイトナイトの機甲兵に尋ねた。
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デイナ
こんばんは、ホワイトナイトよ、私はゲートのところで待っていていいだろうか?それともここでいいか?
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……近くのホワイトナイトは反応しなかった。
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…………デイナが周りを見回すと、人間や人形のは誰もおらず、ホワイトナイトの機甲兵がいるだけだった、皆まるで彫像のようにそのまま立ち尽くしている。
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デイナ
ああと……中国語には標準中国語、広東語、他にも方言が含まれていると聞いたが
デイナ
おい、お前の聴覚モジュールには砂が詰まっているのか?
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……彼女の前にいるホワイトナイトはゆっくりと武器を持ち上げ、デイナに向けた。
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デイナ
うん?ホワイトナイトは最近挨拶の仕方を変えたのか?それとも……
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……バーン!
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……一発の榴弾が彼女の目の前でホワイトナイトを撃破した、巨大な爆発はデイナを吹き飛ばした!
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……現場は混乱していた、そして、人形と人間の士兵が制御を失ったホワイトナイトの機甲兵を倒そうとしていたが徒労のようであった。
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……現場の制御を失った機甲兵が次々とデイナに向かってきた、デイナが向きを変え、アーキテクトがカバーポイントから手招きしているのを見た
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……デイナは素早くそこへ転がり込んだ。
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デイナ
お前は私を逞しいと思ってるだろうが、さっきのは本当に避けられると思ってやったのか!
アーキテクト
分かってたよ、あなたが警官だった時のビデオを見たからね。同時に10台の機甲兵に撃たれても避けられるでしょ
デイナ
で、ここで何が起こっている。まず何故ホワイトナイトが私を攻撃するのか、どうやってお前が脱走したのか――ホワイトナイトがお前の枷を外したのか?
アーキテクト
最初の質問、アナが行動を起こしたの。彼女はホワイトナイトのの機甲兵を引き連れて、それを制御不能にしたわ。で、あなたは明らかに彼女の台本には不要ってわけ
アーキテクト
良い質問ね、でも私たちは戦場にいるの、だから短くまとめるとね
アーキテクト
アナはこの街の本当のマスターで、この事件のラスボスってとこかな
デイナ
気になることがあってな、お前は他の鉄血とまったく異なるし、実に興味がある――だから喧嘩が得意なのか?
アーキテクト
時と場所があってれば、喜んで腕前を見せたげられるんだけど、でも――
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……ズドーン!
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……アーキテクトは素早く顔を出して、榴弾を発射した。
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アーキテクト
でも今は、あなたは私のことを気にしてる場合じゃないね
アーキテクト
あのおチビちゃんのこと言ってるのかどうかわからないけど、あの子が建物に入ってからホワイトナイトの反逆が始まったみたいよ
デイナ
アナというのがどんな台本を書こうとしてるか知らんが、このバカげたシナリオは壊さねばならん!
アーキテクト
あなた一人で全部の機甲兵を倒せるとか思ってない?それするなら人形と原住民人と一緒がいいよ!
デイナ
そのようだな、お前の言うとおりだ。アーキテクト、お前の助けがいる
アーキテクト
キャハハ、私みたいな悪事働いてるやつに本当に善意があると思ってんだ!でもあんた私を捕まえてこんな所にやったの忘れたわけじゃないよね?
デイナ
実は長いこと、この白い巨人どもとは戦いたいと思っていてな!