少女前線

【少女前線 日本語訳】コラボイベント『瓦爾哈拉』 ストーリー 第3話『先駆者』(後編)【VA-11 Hall-Aコラボ】

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第3話『先駆者』(後編)

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……作戦が終了した。
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……バン――!
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……ステラは傘ウイルスによってコントロールされた人形を従え、首相官邸のドアを蹴り開けた。
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ステラ
ステラ
WA2000、外を見張っていろ

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……ステラはドロシーを机の下から引きずり出した。
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ドロシー
ドロシー
きゃぁぁぁぁ~!
ステラ
ステラ
やはりここに隠れていたか、ドロシー
ステラ
ステラ
お前はそこの虚栄心の勲章と一緒に死ぬつもりか?
ドロシー
ドロシー
ひぃぃん……降伏する、降伏するからぁ!
ドロシー
ドロシー
ああああ、あなたは何が欲しいの?お金?それとも キラ☆ミキ(* Kira * Miki)の握手券?
ステラ
ステラ
キラ☆ミキの握手券ならぜひ欲しいがな、だがこの事件を起こしたのは金のためではない
ドロシー
ドロシー
それじゃ……あなたの猫耳を直すとか?
ステラ
ステラ
猫耳ではない!
ステラ
ステラ
くそ、私たちはキャットブーマ(Cat Boomer)さえ知らない者を首相に選んだのか、どうしてこうも関心が無いのだ!
ドロシー
ドロシー
わ……私の関心はまさに今あなたが私をどうするのかって事に向いてるけど……
ステラ
ステラ
私はお前をお仕置きするところをぜひともYouturboで配信したいところだ、しかしそれでは私の欲しい答えは得られないのでな
ステラ
ステラ
言え、アースコンピューター、そしてアルマについてだ!少なくとも一つは答えてもらうぞ!
ドロシー
ドロシー
もし私の頭を分解したとしても、答えなんてないよ。だから私は本当に知らないんだってば!
ステラ
ステラ
そうかな?だが大丈夫、それも想定内だ

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……ステラがドロシーを放ると、ドロシーは地面に座った。
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ステラ
ステラ
ちょっとお仕置きをして、それを見て耐えられなくなった「アナ」に喋ってもらうまでだ
ドロシー
ドロシー
……
ドロシー
ドロシー
なんで……
ドロシー
ドロシー
あなたもその名前知ってるの
ステラ
ステラ
私は消えてる間に多くのことを調べたからな

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………ドロシーはしばらく沈黙していたが、それから深くため息をついた。
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ドロシー
ドロシー
ステラ、あなたが私のことを調査していたの知ったあと、本当は手を尽くすべきだったね
ステラ
ステラ
やってはいたさ、ドロシー、お前は悪人ではない
ステラ
ステラ
私は「アナ」の存在を知っている、彼女がお前の姉であることもな、お前は本当にアースコンピューターに従っているわけでも、グリフィンシティに従っているでもない、だが彼女には違う
ドロシー
ドロシー
なるほど、あなたどうしたいの?
ステラ
ステラ
奴がアースコンピュータを隠したのは間違いない!
ステラ
ステラ
私はできるだけ早く彼女を捕らえなければならん、そして、アースコンピュータを見つけて元に戻し、グリフィンシティが砂の雨で壊されるのを阻止せねばならんのだ!
ドロシー
ドロシー
それで、私を捕まえたのね?ステラ、あなた私の姉さんの事をまるでわかってないでしょ?
ドロシー
ドロシー
あの人は私のことを気にかけてなんかない、私を人質にとっても意味ないよ
ドロシー
ドロシー
例えあなたが私の舌を引き出してわさび寿司を載せたって、あの人は無反応で笑顔のまま、笑窪だって出さないと思う
ステラ
ステラ
お前の身分証明書を見させてもらったが、お前は彼女の親に養子として引き取られたそうだな
ドロシー
ドロシー
あの人の親は私を養子として引き取ったわ。でも私はただあの人が欲しがってる道具でしかないと思う
ステラ
ステラ
そうとも!少なくともお前が今やっていることは、缶ジュースを開ける栓抜きと大差ない
ステラ
ステラ
砂を海に押す徒労をして、そしてグリフィンシティで夜な夜な歌わせる、これでは死ぬのを待つだけだ!
ドロシー
ドロシー
私たちは本当に死ぬのを待つことしかできないからだよ!
ドロシー
ドロシー
ステラ、私の姉さんは世界で最も危険で不気味な人だよ………
ドロシー
ドロシー
彼女を捕まえる事なんて出来ないし、もし捕まえたとしても、誰も彼女をどうにも出来ない!
ステラ
ステラ
まさか本当にどこにいるか知らないのか?
ドロシー
ドロシー
私は知らない、私は彼女が何であるかさえ知らない、人間?それとも人形?
ドロシー
ドロシー
あの人は私の頭の中に幽霊のように現れるの、不思議なことに姿を消した痕跡すらない、彼女が私の頭の中のただのバグなんじゃないかって疑ったけど、私はそれをチェックすることも出来なかった
ドロシー
ドロシー
私はただあの人が世界の終わりを待っていることを知っているだけ……私には何も止められない……
ドロシー
ドロシー
私ができるのは……世界の終わるその日まで……全ての人を満足して死なせてあげることだけ……

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………ドロシーはすすり泣きながら言うとそれ以上は続けられなかった。
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ステラ
ステラ
終わりの日まで満足に待てる者などいないさ、だからこそ全力を尽くさねばならない
ドロシー
ドロシー
私はあなたを理解できないよ、ステラ、「死」の概念は私たちリリムにとってはわからない事だから……
ドロシー
ドロシー
私は死への恐怖はプログラムされてる、でもグリフィンシティの友達を失う事、私が本当に怖いのはこっち
ステラ
ステラ
しかし、私はまだ膝をついていないぞ、ドロシー
ステラ
ステラ
「勝利への道は不断の試行にこそ訪れる」―― 私はそういう風に生きてみせるつもりだ
ステラ
ステラ
だから、私を助けてはくれないだろうか?お前が選択をどうするか考えたいのはわかっているし、まだ時間はある
ドロシー
ドロシー
……
ドロシー
ドロシー
あなたは勝てないでしょうけど、でもあなたの考えは理解できるかも………
ドロシー
ドロシー
今こそ、考えないといけないかもね……
ドロシー
ドロシー
……………

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……ドロシーは立ち止まった。
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ドロシー
ドロシー
(苦笑)でももう遅かったみたい……
ステラ
ステラ
ドロシー……?
ドロシー
ドロシー
……あの人が来た
ステラ
ステラ
何だと?
ドロシー
ドロシー
ううん、感じる
ドロシー
ドロシー
私の体……言うこときかないの……
ドロシー
ドロシー
あの人どうするつもりなの!私の体をこんなふうにコントロールしたことなんてないのに!
ステラ
ステラ
どうした、ドロシー!
ドロシー
ドロシー
ごめんね、ステラ……

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………………
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………………………………
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………ドロシーの体内にホワイトノイズが走った。
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ステラ
ステラ
……ドロシー?
ドロシー?
ドロシー?
私は誰?
ドロシー?
ドロシー?
私は本当に生きてるの?

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………続いて、ホワイトノイズの中に奇妙な笑い声があった。
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ドロシー?
ドロシー?
私はあなたにとっての特別
ドロシー?
ドロシー?
私はあなた達の全て
ドロシー?
ドロシー?
一つになる時が来たわ

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………ドロシーの体のホワイトノイズが増幅を始める。
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………突然、すべてが静寂に包まれた。
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…………………

ドロシー?
ドロシー?
初めまして………
ドロシー?
ドロシー?
こんばんは、ステラ=星井さん
ドロシー?
ドロシー?
私が「アナ」よ
ステラ
ステラ
こんばんは、アナ、ようやく会えたな
ステラ
ステラ
お前は妹の体をジャックしているのか?
アナ
アナ
そうよ、でもどうしてリリムなのかしら?
アナ
アナ
やっぱり、リリムよりも同類をからかった方が楽しいわ
ステラ
ステラ
お前の同類?
アナ
アナ
あなたと一緒、私は人間よ
ステラ
ステラ
私は人間がDFC-72に取りついてるのを見たことがないが
アナ
アナ
ステラ、命はあらゆる種類の形態として存在しているのよ
アナ
アナ
私は………さらに高級な形態なの、「神」のようにね
ステラ
ステラ
……いくつだお前
アナ
アナ
精神年齢の事なら、思春期の女子高校生よ?
アナ
アナ
そんな顔しないで、ステラ、この世にはあなたが知らないものが沢山あるのだから
ステラ
ステラ
どうして現れてあげようと思ったのかが気になるな
アナ
アナ
もう隠れる必要が無くなったからよ
アナ
アナ
現時点をもって、必要なすべての「ピース」はすでに整ったわ
アナ
アナ
最後のステップが残ってるの、ちょっとした”テスト”ってやつね………
ステラ
ステラ
どういうつもりだ、アナ
ステラ
ステラ
なぜアースコンピューターを隠した!
アナ
アナ
うん?
アナ
アナ
私がやったと思ってるの?
ステラ
ステラ
違うとでも?他に誰がこんなことを出来る?
アナ
アナ
あなたが言った通りの事が一つあるわ、私は本当にアースコンピューターを見つけて、世界を破壊したいと思ってる
アナ
アナ
今の計画はあまりにもたもたしてるから、私のスタイルじゃないの
アナ
アナ
でも私はとっても寛容だからね、私の可愛い妹が皆を欺く機会を与え、あなた達も安寧と運命を受け入れた
アナ
アナ
あなたが、ベッキーの小さな夢を破ったのよ
ステラ
ステラ
ベッキー?ベッキーとは誰だ?
ステラ
ステラ
わかった、よく聞け、私はただ座しているつもりはない!
アナ
アナ
私があなただったら、同じことをするでしょうけど、でも残念ながら私はあなたじゃないから、そうはしないのよね
アナ
アナ
私の言っていることがわかる?もう………全て重要ではないの

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…………パチン!
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………アナは指を鳴らした。
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ステラ
ステラ
貴様……何をした
アナ
アナ
私が以前出来なかったことよ……
アナ
アナ
………世界に混乱をプレゼントよ
WA2000
WA2000
ステラ!大量のホワイトナイトの機甲兵が突然現場に降下してきたわ!
WA2000
WA2000
数が多すぎるわ、あいつに………あいつ………
アナ
アナ
ずっと試したいなって思ってたの、ホワイトナイト対グリフィン
アナ
アナ
あの白い巨人は黒塗りの鉄血製ダイナーゲートよりずっといいはずよ
WA2000
WA2000
あのホワイトナイト機甲兵はコントロールを失ってるみたい!あいつら人形を攻撃してるわ!
WA2000
WA2000
今、ホワイトナイトの人形部隊と人間の部隊が協力して対抗してるけど、暴走した機甲兵が多すぎるわ!
ステラ
ステラ
まず自分の身の安全を守れ!こっちは何とかする!
WA2000
WA2000
どうするつもり、まだ続けるの?
ステラ
ステラ
それがスムーズにいくかどうかは分からんがな……
ステラ
ステラ
この展開は……私の想像を少し超えていると言わざるを得ない
ステラ
ステラ
アナの本質は私が思ったよりも恐ろしいかもしれん
アナ
アナ
怖いの、ステラ?この真実を明らかにして後悔した?
ステラ
ステラ
むしろ興奮しているよ、アナ
ステラ
ステラ
私はただお前が存在するか掴めればいいと思っていた、だが今、私はお前と直接対面しているんだからな
ステラ
ステラ
私の3年間の調査結果は、私が予想していたよりも正確だったようだ
アナ
アナ
正確? ………ま、あなたの言う事はさておき
アナ
アナ
さてとグリフィンシティの主らしくしましょうか………
アナ
アナ
………あなたの調査っていうのを試してあげる